地域BWAの今後

 地域BWAは、開始当初は10MHz帯幅のWiMAX方式(最大40Mbps)でスタートし、2014年の制度改正以降は、20MHz帯幅の4G/LTE方式をベースに100Mbpsを超える通信サービスが可能となっています。

 また、地域BWAの5G化(BWA 5GNR)については、2020年夏に技術仕様と合わせて制度整備が完了していることから、今後5G化の緩やかな移行も含め、2030年以降のBeyond5G(6G)への道も視野に入ってきました。

地域BWAが目指すゴール


 当協議会では、このような未来に向けて、免許制度そのものの存在意義でもある『地域BWAがめざすべき到達点(ゴール)』を、あらためて確認・明確化することとし、次の通り“3本の柱の総合力”としてまとめています。

 地域BWAの最大の強みは、携帯電話業界で標準的な2.5GHz帯バンドで4G/LTE技術が使え、地域のニーズ毎に、自由度の高いネットワーク設計に基づくサービスが提供できることです。
 免許不要帯とは違い、免許制度の下で扱える無線システムの安定性や信頼性をベースに、地域BWAだからこそ実現できる地域の社会貢献に継続して努めています。

電波政策議論への対応


 地域BWAは現在、地域の実情やニーズに応じた多様な活用事例が生まれていますが、2015年頃までは普及が進まず、総務省の電波政策議論で度々、取り沙汰されてきました。

 2018年8月の総務省「電波有効利用成長戦略懇談会」報告書(概要)では、『地域BWAが利用されていない地域・時間帯については、①ホワイトスペースと同様に、周波数共用を推進することが適当であり、地域BWAを利用している地域においても、②全国BWA事業者のトラフィックのオフロード等について、ニーズを踏まえて円滑に実施できるよう対応することが望ましい。また、③報告徴収、利用状況の調査結果を踏まえて、地域BWA制度の在り方の見直しなど、さらなる周波数の有効利用に資する措置を講ずることが適当』と3項目の提言がありました。

 これを踏まえて、2019年には①に基づき『自営等BWA』制度が整備されました。また、2019年1月には②に沿って、全国BWA事業者とのオフロード/CA(キャリア・アグリゲーション)協業が可能となりました。③の利用状況調査についても、2019年度から3⇒2年周期で進められています。

 こうした活動の成果により、2018年4月から2021年4月の3年間で、事業者数、自治体数ともに概ね倍増し、運用基地局数においては3倍を大幅に超える増加となっています。

 2021年開催の「デジタル変革時代の電波政策懇談会」では、地域BWAの普及ペースについて繰り返し指摘を受けていますが、今後も、多様な業態のBWA事業参入や、農地などBWA未整備エリアでの自営等BWA利活用(※1)の進展が期待され、当協議会としても継続して普及促進に向け支援していきます。
(※1)農林水産省では、2021年4月より農山漁村振興交付金(情報通信環境整備対策)事業を開始しており、そのハードウェア整備として『自営等BWA/地域BWA設備』を補助金事業の対象としています。

地域BWAとは